市町村版観光経済波及効果試算のためのWebアプリ

この度兵庫県立大学環境人間学部江口ゼミで、市町村版観光経済波及効果を試算するアプリを作成し公開することにしました。
と言っても、元は県(兵庫県や和歌山県)が作成している市町村版産業連関表です。
県が公開している市町村版産業連関表を利用して観光経済波及効果を試算することを目的とした分析シートにするために、観光需要入力シートや雇用表、税収効果計算シートなどを追加しただけです。
オリジナルの各県の市町村版産業連関表は次の形式で作成されています。

兵庫県市町別産業連関分析ワークシート(全41自治体)
2015年度(平成27年度)版として、市町毎に統合大分類(39部門)による 産業分類産業連関分析ワークシートが作成されている。これには自治体毎の雇用表(産業部門別の就業者数と雇用者数)も付属している。
(※現在は兵庫県立大学ソーシャルデータサイエンス研究所にて公開されている。当研究所HP兵庫県市町産業連関表データ&ワークシートをクリック。)
和歌山県内市町村別平成27年産業連関表(全30自治体)
(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/data/archive/d00213432.html)
2015年度(平成27年度)版として、市町村ごとに統合中分類(108部門)の産業連関表(取引基本表・投入係数表・逆行列係数表(開放型))が作成され公開されている。
令和5~7年度の3年間、ゼミ生の一部の学生が卒業研究で次の作業をおこなってきた。
  • 〇令和5年度
  • 兵庫県市町版:
    公開されている市町版産業連関分析ワークシートを観光経済波及効果を試算するシートに特化した、入力シート(観光入込客数や平均消費額及び土産代内訳など)を追加し、税収効果を試算するシートも追加した。 ただし、この税収効果試算シートは兵庫県全体の実効税率をそのまま各自治体に適用したものであった。
    和歌山県内市町村版:
    和歌山県では就業効果・雇用効果の試算に必要な雇用表が整備されていないため、得られるデータ制約の中で産業分類別就業者数のデータを使用して試算することにした。
    このため産業分類を108部門から18部門へと統合せざるを得なかった。また産業別就業者数は公開されているものの産業別雇用者数は公開されていないため就業効果のみとなった。 これを観光経済波及効果の試算分析シートに追加した。
    ★作成者の卒業論文
    M.FUJITA.『兵庫県41市町の観光経済効果分析シートの作成と若干の考察』(令和5年度)
    O.OOGAMI『和歌山県30市町村別観光経済効果分析シートの作成と若干の考察』(令和5年度)

  • 〇令和6年度
  • 前年度に作成された観光経済波及効果分析シートに、各自治体ごとに実効税率を算出して税収効果を試算するシートを追加した。
    税収効果についての試算方法は兵庫県版も和歌山県版も何れも横須賀市方式を採用した。
    参考URLは次の通り(横須賀市HP)。
    https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0830/upi/jouhou/seisakukenkyuuhoukoku.html
    ★作成者の卒業論文
    K.UMESAWA.『兵庫県41 市町の観光経済効果分析シートの改訂と経済効果の市町村比較シミュレーション』(令和6年度)
    H.FUJII.『和歌山県30 市町村の観光経済分析シートの改訂と就業効果にみる和歌山観光政策の課題』(令和6年度)

  • 〇令和7年度
  • これまで作成した観光経済波及効果分析シートはExcel Bookであり、これをダウンロードして手持ちしている人でないと利用できない。
    Excel Book を手持ちしていなくてもWeb上で誰でも簡単に経済効果の試算がきるようにすることを目的としてWeb化した。 Web化することの利点としては、Web上で簡単に利用できることに加えて、経済波及効果の市町村比較も容易にできるようになった。
    ★作成者の卒業論文
    C.OOHARA.『市町村観光経済波及効果試算Webサイトの構築と明石市の観光収容力の算定』(令和7年度)
    T.KATSUMA.『観光経済波及効果試算サイトの構築と赤穂市の市町村比較にみる経済波及効果の特性』(令和7年度)

    尚、現在(2025年)時点で、各都道府県産業連関表は現在2020年(令和2年)度版が随時公開されはじめているが、兵庫県、和歌山県とも市町村版2020年度版産業連関表はまだ公開されていない。